No. 29

So what? Why so? So how?

上へ束ね、下へ確かめ、前へ押し出す

Episode「それで?」と聞かれる

何日もかけて集めた数字やグラフを、会議で丁寧に説明し終えたとき、聞いていた人に一言だけ聞かれることがあります。それで?

集めた事実は、どれも正しい。けれど、それらが合わさって何を言っているのかが、話した本人にもまだ見えていなかった。反対に、言いたいことは鋭いのに、なぜそう言えるのかと聞かれて、答えに詰まることもあります。事実と結論のあいだを、行ったり来たりする問いが足りなかったのです。

Origin二つの問いで、筋を通す

照屋華子と岡田恵子は『ロジカル・シンキング』で、考えの筋を通すための、二つの問いを示しました。So what? つまり、ここから何が言えるのか。そして Why so? つまり、なぜそう言えるのか。

事実を並べたら、So what? と問うて、そこから一つの答えを引き上げる。答えを言ったら、Why so? と問うて、それを支える事実まで降りて確かめる。上へ引き上げる問いと、下へ掘り下げる問い。この二つを往復するうちに、考えは、事実に根を張りながら、一つのメッセージに束ねられていきます。

So what? Why so? So how? 下に三つの「事実」、上に一つの「答え」が置かれている。事実から答えへ上向きの矢印に「So what?」、答えから事実へ下向きの矢印に「Why so?」。答えから右へ伸びる矢印の先に「次の一歩」があり、そこに「So how?」と書かれている。 答え 事実 事実 事実 So what? Why so? 次の一歩 So how?
上へ引き上げ、下へ確かめ、前へ踏み出す

Meaningその答えに、新しさはあるか

So what? で引き上げた答えが、聞く人がすでに知っていることの言い直しだったら、やはり「それで?」と返されてしまいます。筋が通っていて、根拠もそろっている。それでも心が動かないのは、そこに何も新しいことがないからです。

答えを引き上げたら、もう一度自分に問いかけてみる。この答えに、Something New はあるか。まだ誰も気づいていなかった見方、当たり前をくつがえす一言、ばらばらだった事実を一つにつなぐ仕組み。新しさを含んだ答えだけが、聞く人の考えを一歩先へ進めます。

Meaning三つめの問い、So how?

けれど、筋の通った答えにたどり着いても、それだけでは何も変わりません。だから、もう一つ問いを足します。So how? では、どうするのか。答えから、次の一歩へ。

So what? は考えを上へ束ね、Why so? は下へ確かめ、So how? は前へ押し出す。三つの問いがそろったとき、考えは、ただ正しいだけのものから、人を動かすものに変わります。ここに並ぶ覚え書きの一つひとつも、最後は So what の段落で終わるように書かれています。読んだことを、自分にとっての意味に引き上げるために。

So what三つの問いを、持ち歩く

何かを調べ、何かを考えたあと、私たちはつい、分かったことを並べただけで満足してしまいます。あるいは、言いたいことだけを先に走らせてしまう。

だから、三つの問いを、いつも手もとに置いておく。それで、何が言えるのか。なぜ、そう言えるのか。では、どうするのか。この三つを自分に問いかける習慣が、集めた事実を、確かな一歩に変えていくのだと思います。

Sources

  1. 照屋華子・岡田恵子『ロジカル・シンキング ― 論理的な思考と構成のスキル』東洋経済新報社、2001